1on1ファシリテーションの可能性
ここ最近は、「1 on 1」の可能性を体感しています。
学ぶ側にも、人を育てる側にも、セカンドキャリアを探している人にも、インパクトがある!と思っています。
以下、詳しく説明します。
1 on 1 ラーニング・ファシリテーションとは?
教育分野では、「個人レッスン」と呼ばれるものがあります。これは、1 on 1の「ティーチング(教える)」です。私たち toiee Lab が取り組んでいるのは、それとは違います。
私たちが取り組んでいるのは、1 on 1(一対一)で、「ラーニングファシリテーション」を提供することです。
一般的に、ファシリテーションは「会議」や「ワークショップ」の進行を円滑にしたり、創造性を発揮させるような介入をすることを指します。つまり、「多人数に対して」行うものがファシリテーションです。
私たちは、ラーニング・ファシリテーションは、「チーム学習」「グループ学習」に行うものだという思い込みがありました。
ところが、よく考えれば、「1 on 1」でも、ラーニング・ファシリテーションは効果を発揮します。状況によっては、「素晴らしく、効果的」だったりします。
ITバリバリの息子は、ファシリテーションがきっかけです
親バカに映りそうですが、私の息子は「ITが、かなり得意」です。物によっては、私よりも使いこなしています。小学校でも有名なようです。先生が困っていたら、さっと手伝って、解決してしまうようです。
なお、我が家は「全てApple製品」です。息子は、Windowsも、Officeアプリも使ったことはありません。それでも、初見で触って、理解します。それだけでなく、先生が困っていたら、「ここかもしれない!」と推測して解決できたりします。
これは「才能」ではありません。
toiee Labが始まった頃に録音した音声セミナーで話したことがありますが、「才能とは、すごくうまく学べているもの」のことです。決して、天賦の才ではありません。天から与えられるとは、つまり「生まれつき」です。生まれつき決まっているものは、遺伝子です。
ITに適応した遺伝子などはありません。残る遺伝子とは、淘汰圧によって決まります。つまり、生存に有利でたくさんの子孫を残すことになったものが「遺伝子」として残っていきます。
人間は一夫一婦制を採用している文化が多いので、上記のような「淘汰圧」の説明も、うまくはできません。それが原因で繁栄しているわけではありません。
・・・詳しく説明しだすと、長くなるのでやめておきます。
結論は簡単です。
ITバリバリは、才能、生まれつき、遺伝は関係ありません。「学び方」の違いだけです。「学び方」と呼んでいるものも、ほんの小さな違いでしかありません。
「右の扉を開いたか、左の扉を開いたか?」
ぐらいの違いしかありません。具体的には、
正解を教えられ、覚えようとする扉を開けたか?
探求して発見して、学ぶ扉を開けたか?
この違いでしかありません。
2つの扉の違いとは?
私がお伝えしたいことは、とてもシンプルです。
ITが得意になるか、ならないかは「才能」ではありません。頭の良さでもありません。その証拠に、小さい子供たちの多くは、自由に使いこなします。
残念なことに、大人になっていくにつれて、その柔軟さが消えていきます。その理由は、はっきりと明確に説明できます。ティーチング(教える)教育の負の側面でもあります。このことについては、また別の記事で書きたいと思います。
とにかく、ポイントは
「入口のちょっとした違い」 「良い道を歩み出した時、信じて歩み続けたかの違い」 です。
良い道は、すぐ隣にあり、楽しくて、ワクワクして、何歳になっても歩める道でもあります。その道を歩んでいけるように支援するのが、toiee Labの仕事であり、ラーニングファシリテーションの仕事だと思っています。
ちょっと脱線しましたが、話を「ITができる、できない」に戻します。
ITが苦手な人の行動パターン
ITが苦手な人をファシリテーションすると、すぐに気づく共通点があります。大きく分けて3つです。
正解を覚えようとする
正解を思い出そうとする
間違ったら「ネガティブラベル」を貼る
です。
例えば、ある人にWebサイト作成アプリを教えるとします。toiee Labでは、ラーニング・ファシリテーションという方法を取ります。以下に、そのやりとりを示しながら、上記の3つの違いを説明します。
正解を覚えて、思い出そうとするパターンとは?
ファシリテーターは、以下のように呼びかけます
「では、今から、ブログを投稿してみましょうか!」 「どこを押したら、よさそうと思いますか?」
すると、受講者の方(ITが苦手)は、
「ええっと、確か・・・・」 「おかしいな、オンラインコースで勉強したはずなのに・・・」 「うーん」
「ちょっと待ってくださいね。確か、メモをしたはずです」 「あれ、どこにメモしたかな・・・」
となります。
つまり、自分の記憶を探します。もし、ノートにメモを取っているのなら、ノートを開きます。ところが、あらゆることをメモしているので、「どこにメモしたかわからない」状態になっています。
そして、途方に暮れる。あるいは、
「ええい、とにかく行動だ!」 「ポチ、あれ、違った。こっちか?あれ、違った。。。。うーん」
と、闇雲に触ります。
間違うたびに、ネガティブなラベルを積み重ねていきます。
どうしよう。最悪だ。正解はどこだ。なぜ、ちゃんとメモを取ってなかったんだ。ああ、2週間前に戻りたい。いや、そもそも、こんな教えてもらう場所に来るんじゃなかった。そもそも、Webサイトを自分で作ろうなんて思わなければよかった・・・
ちょっと極端ですが、こんな反応をします。つまり、「間違った」というラベルを貼って、嫌な感情を想起します。
違った時は、新しい何かを学んだ、発見した瞬間
ITが得意な人たちは、ちょっと違います。
「ええ、ブログを投稿するには、うーん。どこだろう?」 「ああ、覚えてないやー」 「目の前の画面をよくみて・・・、ここかな?」
と、正解を思い出そうとせず、目の前の画面を眺めて、「探求」を開始します。
「ポチ。あれ、違った」
となったとします。この後の反応が違います。
「ああ、このボタンって、こんな機能なんだ。へー」 「じゃ、こっちかな?」
となります。
ITが苦手な人が「間違った、最悪、帰りたい」と思うところに対して、「ポジティブな発見、学び」というラベルを貼り付けます。
私たちの脳は、「嫌なことは、なるべく早く忘れる。記憶に留めない。あるいは、覚えておいて、そこから逃げ出させる」という反応を起こします。決して、深く理解しようとは思いません。
一方で「ポジティブな感情」なら、「覚えやすくなる」「もっと触ってみたくなる」と、どんどん探求するようになります。目の前で起きた現象をまとめ上げ、共通項を見出し、ルールを理解します。しかも、ポジティブな経験は、記憶力を強化します。つまり、覚えます。
片方は、「どんどん忘れる、逃げ出す」に対して、一方は「どんどん覚える。次々、新しいものに触れる」という差があります。
ちょっとした「小さな行動」(FILMサイクルと呼んでいるものを、ポジティブな感情とともに回すこと)に違いがあるだけです。これが積み重なると、大きな差になります。
1 on 1 なら、丁寧にファシリテーションできる
私たちは、ファシリテーションは「グループに対して」行うものだという思い込みがありました。しかし、1 on 1 は、
社内
プライベート(親や、子供に教えるとき)
では、頻繁に使っていました。私も、息子がITに興味を持ち始めたとき、iPadをおもちゃとして進呈して(それを理由に、新しいiPad Proを買いました笑)、
「探求することで、学ぶ」を一緒に行いました。そして、お互いに発見をシェアしあったりして、キャッキャと遊ぶことからスタートしました。教えるのではなく、探求することを手伝うようにしました。
すると、知らない間に、私が教えてもらうようなレベルに成長しました。
これが 1 on 1 の威力だと思います。たった一人に対して行うことで、丁寧に、そして確実にFILMサイクル(ミニFILMシートを回すこと)を回すことを手伝えます。
それに、よく考えれば、1 on 1は「最小のチーム学習」でもあります。たった一人では、挫折してしまうところ、「もう一人」いるだけで、楽しくて、ワクワクする探検に変わります。
Learning together, enrich lives
上記の言葉は、toiee Labのミッション、スローガンです。私のAirPods Pro(ワイヤレスイヤホン)のケースにも刻印しています。
この意味するところは、
「ともに学ぶことを通じて、人生を豊かにする」 です。
今までは、「共に学ぶ」は、複数人を前提としていました。しかし、今は違います。1 on 1が最小単位です。この新しいアプローチを広げたい、続けたいと熱望しています。ワクワクしています。
1 on 1 ファシリテーターを一緒に学びませんか?
「1 on 1 ラーニング・ファシリテーション」について学ぶプログラムを行います。人の学習をシステム論や、生命科学から捉えることから始まり、人としてのあり方、アプローチの仕方、具体的なスキルなど、一通りを学ぶ会を実施しようと思っています。
コロナ禍によって、リモートが広がりました。1 on 1ラーニングファシリテーションは、リモートで繋ぐことができれば、世界中で繋がって学びを提供できます。学びたい人を支援することができます。
先生という立場の人だけでなく、会社の中でも、1 on 1ラーニング・ファシリテーションが定着すれば、技術、知識の伝達の質が圧倒的に向上すると思います。
そして、それ以上に「Learning together is enrich lives」になります。つまり、「ともに学ぶこと」は、それだけで「人生を豊かにしてくれる」と、私たちは確信しています。
このような重要な役割を果たせる技能、知識、姿勢、パラダイムを伝えていきたいと思っています。
興味のある方は、まずはコース(動画)をご覧ください。 無料公開分の動画を見るだけでも、いろんな気づきや発見があるはずです。