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1on1という発明

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1on1という発明

toiee Lab 亀田
Apr 11, 2022
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1on1という発明

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「1 on 1」というイノベーションを発明しました。正確には、私が発明したのではなく、toiee Lab の女性陣が活躍して、発明されました。

今日は、「ドラッカーのイノベーション」や「クリステンセンの破壊的イノベーション」に絡めて、1on1について解説します。あなたの知的好奇心を刺激できれば、嬉しい限りです。

(※ 1 on 1を直訳すると「1対1」のことです。あるいは、和製英語のマンツーマンのことです。1 on 1 ラーニング・ファシリテーションとは、FILMシートを書くプロセスをマンツーマンで、丁寧に行う方法のことです。以下、「1 on 1」は、「FILMシートを1 on 1で書くことを通じたラーニングファシリテーション」のことです。)

それでは、始めます。

「たかが1 on 1」で、そんなに喜ばれる訳が無い

ここ最近の中で、「これは、すごいぞ!」と思えるものが、「1 on 1ファシリテーション」です。

すでに無料体験を10人ほどに提供しました。経営者、現役のコーチ、マネジャー、アントレプレナー、デザイナー、教室を運営する先生など。様々な人に提供した結果、

「ワクワクしてきた」「すごくいい!」 「コーチングとカウンセリングをミックスして、さらに先って感じがする」 「無理矢理、夢を設定するのではなく、情熱に出会うようになりそう」 「英語の勉強が捗りそう」

など、大好評です、、、と書くと、あなたは以下のように感じるかも知れません。

「本当に?」 「大袈裟でしょう?」 「誇大広告は、やめてください!」

・・・

実は、私も初めは疑っていました。あなたと同じように、「本当に?」「大袈裟でしょう」

『だって、たかが「1対1」で、FILMシートを書くプロセスを丁寧にやるだけでしょ?そんなに喜ばれるはずがない』

と思っていました。

ところが、今は違います。証拠が積み上がり、私自身も受けて(1 on 1ファシリテーションをしてもらいました)、その良さを実感しました。理論家の私からすると、まだまだ改善点はありますが、今の時点でも、十分よかったです。

イノベーションの原理から考えてみる

もしかしたら、あなたも「1 on 1」については、懐疑的かも知れません。私もそうでした。あまりにも、シンプルで簡単なこと(に感じる)だったので、受け入れることができませんでした。

ここら辺の事情を丁寧に追っていくことを通じて、

  • 「イノベーションとは何か?」

  • 「どうやって起こすのか?」

  • 「どうやって現実の商品、サービスに繋げるのか?」

を学ぶことができると思います。

また、このようなイノベーションの知識を深めることを通じて、「1 on 1」についても、知っていただけると思います。

以下、詳しく説明します。

イノベーションは「遊びから」始まる

P.F.ドラッカーは、イノベーションついて、以下のようなことを行っています。

「イノベーションを成功させたければ、さほど賢くない人でも扱えるように、シンプルで、手軽なものにしなければならない」

例えば、iPhoneは「最新技術てんこ盛り」ですが、2歳の子供でも触れます。小学生にもなれば、自由に使いこなせてしまいます。これは、素晴らしくよくできた例でしょうし、出来上がったものを見ているので「そりゃ、そうね」と思えます。

では、このiPhoneが発表された当時は、今とは全く違う評価を下されています。

  • バッテリーが1日ももたない出来損ないの電話なんて、誰も買わない

  • 小さな画面で、目を凝らしてWebサイトを閲覧したい人なんていない

  • 落としたら画面が割れて、水にも弱く、携帯するのに不適切

とにかく、業界の反応は最悪でした。誰も、「スマホ市場」なんて、生まれるとは思っていませんでした。誰も買わない、必要ない、高価なおもちゃという評価を下しました。

10年以上経ってみると、携帯電話を製造していた大手企業は軒並み「携帯市場から退場」させられました。スマホ市場にも生き残れませんでした。

後の研究でわかっているのですが、他の携帯電話を製造していた会社の多くが「スマホの試作品」を作っています。研究員やエンジニアが、遊びと好奇心で作ってみて、未来を描いていました。

ところが、役員たちが「なんだこのおもちゃは!」「予算の無駄遣いをするな!」と行って、ゴミ箱に捨ててています。

まとめると、「イノベーション」は「おもちゃ」と評価されるようなものからスタートしています。そして、それを「おもちゃ」として断罪してしまうことで、自分で自分の未来を閉ざしてしまいます。

私は、身の回りにある「イノベーションの結果」の産物を眺めながら、「自分が、おもちゃと決めつけて、未来をゴミ箱に捨てる経営者にならないように」と戒めています。

イノベーションの芽は「癪に障る」

「癪(しゃく)に障(さ)る」が、最初の反応でした。

私は、toiee Lab をスタートさせ、人本来の学び方、学習のメカニズムなどを研究してきました。その中の到達点が「チーム学習」でした。多様な視点を学習に持ち込み、チームで学習する時、人は多くを学べます。

このチームで学習する場を作り出す、高度な技術、知識、そして「姿勢(あり方)」を持つのが、ラーニング・ファシリテーターだと定義していました。

このような「思い入れ」があったため、女性陣が「1 on 1 ラーニングファシリテーション」をやり始めた時、

「ファシリテーションっていうのは、複数人がいるときにやるものだ!」 「1 on 1で、FILMシートを書くなんて、時間がもったいない」

という言葉が出てきそうになりました。しかし、自分の腕についているApple Watchや、iPhoneを眺めて「ああ、ダメな経営者の仲間入りは避けなければ・・・」と思い、黙認しました。

また、黙認しただけでなく、「良さそうだね、Goだ。Go」「どんどんやってみたら?」と言いました。もちろん、心の中では、「癪に障る!」という感情がありました。

しかし、一方で、「これは、何か新しいことに繋がるかもしれない」とも、思いました。

彼女らは、現場で働く人たちです。日々、顧客と触れ合う中で、自然に「1 on 1」が立ち現れてきたわけで、私よりも実践では「専門家」だと思っています。だからこそ、彼女らの実験を見守ることにしました。

同時に、「頭でわかっているのに、心から賛同できないなんて、なんという失態・・・」と落ち込みました。

FILMシートを「コーチング」に使うなんて・・・

ある日、プロジェクトを進める一人(木村ミワ:以下、ミワさん)から、報告がありました。

  • 「今日のお客さんに、とっても喜んでもらえました。最後に、マーベラス!!とまで言ってもらえました。」

また別の日には、

  • 「現役のコーチングの先生からも高評価でしたよ。コーチングの限界があって、それを突破してくれている。コーチングの悪い面が解決できる。すごくいい!と言っていました」

またある時は

  • 「マネジメントに使える!と喜んでくれました。プロジェクト管理や、仕事の伝達・共有にも使える!と喜んでもらえました」

このような報告を受けるたびに、私の中では、

(FILMシートは、『メタ探究型学習』を手助けするために作ったんだよな。コーチングとか、マネジメントとか、仕事を効率よくするために使うなんて・・・)

と思っていましたが、同時に「現実こそ正しい」という考えもありました。この2つの考えが対立していました。

「FILMシート、ファシリテーションはこうあるべき」 vs 「いろんなことに、手軽に使えて、前進できる」

正しい使い方なんてのは「開発した人のエゴ」だと思い、現実を理解することを選ぶことにしました。

自分が被験者になってみる

私はミワさんに「僕にも、1 on 1 をやってほしい」と依頼しました。私が受講者で、ミワさん(ひとまわりも年齢が下です)に、ファシリテーションを依頼しました。

私が設計した進行プロセスに沿って、「よく学べたもの vs よく学べなかったもの」を質問されました。自分で作ったプロセスに乗るのは、ちょっと妙な気がしますが、とにかく楽しもう!と決めました。

いろんな話を聞いてもらいながら、FILMシートを書こうと思った背景や、何に使ってみたいか?ワクワクするか?チャレンジを感じるか?などの質問を受けながら、しゃべっていきました。

そうすると、ミワさんが、どんどんメモを整理し、「FILMシート」の形にまとめてくれました。それを眺めているうちに、ワクワクしてきました。

「よし、こんな感じで経営に臨んでみよう!」 「どんな未来がやってくるか、楽しみだ!」 「たとえ、失敗しても、学びが多そうだ!」

と、すごく前向きになってきました。

1時間ぐらいのセッションを終えた時、私は言いました。

「めっちゃいい!」 「すごくいい!」 「しかし、納得いかん(笑)」

正しいのは現場でした。私の頭の中は、ドラッカーの言葉がグルグル回っていました。

  • イノベーションは、不完全であるものが多い

  • イノベーションは、癪に障るものだったりする

  • イノベーションは、単に良いアイデアレベルだったりする

  • イノベーションは、本来とは全く違う使われ方をされたりする

  • イノベーションは、なぜ、うまくいくか?がわからないこともある

とにかく、「正しい」「これは価値がある」「今までの中で、一番と言っていいほど価値がある」と納得しました。

専門バカを突き詰める

自分が受けてみて、「最高」と思った理由を読み解くことにしました。この際、学習の理論に関する「専門バカ」として、とことん、掘り下げることにしました。

toiee Lab 内部では、「FILM2 学習理論」という形で、自分たちがやっていることを体系化させています。

  • 学習とは何か?

  • どんなメカニズムとして定義できるか?

  • それらを支える専門分野は何か?

具体的には、「システム制御理論」「ダイナミクス」「複雑系」「人工生命(生命科学)」「カオス理論」などの諸分野をベースにしながら、哲学や宗教的な伝統の知恵を、インテグラル理論を参考に、整理しています。

それぞれを詳しく説明したいところですが、ここではできません。いずれ、どこかでお伝えしたい(興味があればですが)と思います。

とにかく、「専門バカ」になって、とことん考えてみました。その結果、はっきりしました。1 on 1ファシリを通じて、「何にでも、FILMシートを使う」というのは、

  • あらゆるものを「生命現象」として扱うこと

であると。

「ポカーン」という音が聞こえてきそうですが、とにかく、この答えに納得しました。私たちは、モダニズムの考えにどっぷり使っているせいで、今の時代にそぐわない働き方、考え方をしています。それらをアップデートするために、FILMシートがぴったりなんだと理解しました。

「あらゆるものを、『生命現象として扱う』」

というアプローチだから、「プロジェクトマネジメント」「個人の学習」「経営」「コーチング」「カウンセリング」に使えるのだと納得しました。

またまた、「ポカーン」と、させてそうですが・・・すみません。

とにかく、ポイントは一つです。

最初、懐疑的だった私も、今では「理論的に納得」しています。そして、これは素晴らしい!と太鼓判を押せます。

これを発明してくれた、女性陣には感謝しかありません。

1 on 1 ファシリテーションを一緒に学びませんか?

「1 on 1 ラーニング・ファシリテーション」について学ぶプログラムを行います。

人の学習をシステム論や、生命科学から捉えることから始まり、人としてのあり方、アプローチの仕方、具体的なスキルなど、一通りを学ぶ会を実施しようと思っています。

コロナ禍によって、リモートが広がりました。1 on 1ラーニングファシリテーションは、リモートで繋ぐことができれば、世界中で繋がって学びを提供できます。学びたい人を支援することができます。

先生という立場の人だけでなく、会社の中でも、1 on 1ラーニング・ファシリテーションが定着すれば、技術、知識の伝達の質が圧倒的に向上すると思います。

そして、それ以上に「Learning together is enrich lives」になります。つまり、「ともに学ぶこと」は、それだけで「人生を豊かにしてくれる」と、私たちは確信しています。

このような重要な役割を果たせる技能、知識、姿勢、パラダイムを伝えていきたいと思っています。

興味のある方は、まずは「コース動画(無料公開中)」をご覧ください。 動画を見るだけでも、いろんな気づきや発見があるはずです。

「1on1ファシリテーターコース」コース(動画)はこちら

追伸:

私たちは「ティール組織経営」という方法で運営しています。この運営方法だと、たとえ私が、「1 on 1 なんて、時間の無駄だと思う。やめたほうがいい」と発言しても、それは命令にはなりません。

あくまでも「意見の1つ」「助言プロセス」として扱われます。

結果、どちらにせよ、ミワさん達は、1 on 1を実行していたでしょう。

1 on 1ファシリテーションは、「最小のチーム学習」です。1 on 1ファシリテーションをしっかり行うことから、「学習する組織」そして「ティール経営」ができる可能性が広がります。

ここら辺も、非常に面白い話なので、いずれはシェアしたいと思っています。

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