FILMシートを新人教育に使う方法
toiee Labみわです。
今回は「FILMシート」を新人教育に使う方法を、実際の事例を用いて説明します。4月ですので、是非、役立ててもらえたら嬉しいです!
FILMシートを新人教育で使う4つの利点
FILMシートは「ラーニング(良い学習)」を引き起こすためのツールですが、仕事でも「めっちゃ」使えます。FILMシートを仕事に使うと、
仕事内容の明確化と、仕事の依頼の齟齬がなくなる
仕事を通じて「強み」と「弱み」が発見できる
仕事の効率が上がる
良い企業文化(学習する組織、人を責めるより問題を解決する文化)
つまり、FILMシートを使えば「生産性」があがり、働きがいが生まれ、企業が強くなります。しかも、経営コンサルタントを雇って、企業研修をする必要もありません。
今日から、すぐに実践できます。
FILMシートを書かなかった場合(悪い例)
先日、toieeLabに新入社員が入ってきました。久しぶりの新人です。私が、右も左もわからなかったのは・・・もう何年も前のことです。当時の自分の状態なんて、すっかり忘れていました。
そして、失敗しました。
働き始めて、やってはいけない「口頭で、曖昧な指示」をしました。
「この前の社内ワークショップの様子を、ニュースレターとして送りたいから、文章にしてくれる?簡単でいいけど、伝わる文章にするには、具体的に書けばいいよ。それに、時系列に出来事を書いた方が伝わるし、書きやすいだろうから。じゃ、よろしくー!」
私の頭の中では、A4 2ページぐらい。楽しく、社内研修が楽しかったーというエピソードが出来上がる予定でした。今思えば、こんな前提は共有していませんでした。
数時間後、ヘロヘロになった新人が「A4 10ページ近くの長文」を送ってきました。
「うわー、新人教育難しい!どうしたらいい?」「私って、どうやって仕事覚えたっけ?」「あ、FILMシートだ。あれを毎日のように書いてた時期があったなー」
ということで、「一緒にFILMシートを書きながら、仕事をする」ことにしました。特に「仕事を依頼するときは、FILMシートを書く」べきです。
なんでも、亀田曰く、「JKK(自工程完結)と同じ効果がある」そうです。詳しくは、そのうち亀田から話があると思います。依頼しておきます。
FILMシート記入例(仕事編)
以下、「メール作成の依頼」を例に説明します。
01. 一緒に、FILMシートを書く(黄色枠)
仕事の依頼者、実行者2人で書くことが大切です。お互いの考えや意図していることなどを確認します。一緒に書くことで仕事のすり合わせにもなります。
まず、黄色枠内を、右から左に向かって番号順に書きます。
①期待する結果
今回であれば、「期待する結果」に依頼した(された)仕事を書きます。
②姿勢・計画
「①期待する結果」に入れた仕事を完遂されるためのプロセスを書きます。
ポイント: なるべく実行者に書いてもらいましょう。本人の得意なやり方、働きやすいやり方を採用するためです依頼者がプロセスについて言及するときは、「アイデア」として提案します。採用するかどうかは、実行者に委ねます。
③仮説・想定
「①の期待する結果」を手に入れるために、なぜ、「②のプロセス」で良いと思っているのか、仮説と想定を書きましょう。
ポイント: 依頼者は「なぜそのプロセスであれば期待する結果を手に入れることができるのか?」などと、実行者に質問をしましょう。実行者も気がついていない、仮説・前提が明らかになります。仮説・前提に、仕事の生産性を一気にあげるヒントが隠れていたりします。
02. 実行する
依頼者は、口出しせずに見守りましょう。実行者は、仕事を進める中でもっと良い方法や、思ってもいなかった課題に出くわすこともあります。そんなときは、臨機応変にプロセスを変えてOKです。
03. 振り返る ※重要
以下の項目を依頼者と実行者で振り返ります。
まず、実際の結果を書きましょう。事実を書きます(例、メールは送れなかった)
次に、よかった点をあげましょう。よかった点からあげることで、脳がポジティブな状態になり、発想が湧きやすくなります。それから「改善点」などを書きます。また、「予想せぬこと」についても書き込んでください。
予想外が集まってくると、大きな発見につながることが多いです。よかった点、改善点、予想外から「次どうするか?」を決定しましょう。そして、「気づき・学び、発見、パターン」を現時点で思うことをなんでも良いので書き込んでおきます。
一石二鳥なシート
仕事をするたびに、一緒にFILMシートを書き振り返ることで、
お互い(先輩、後輩、上司、部下、後輩、同期)の強みと弱みがわかる
それを配慮して、成果に繋がり、かつ、お互いが働きやすいよう仕事を設計する
ことができます。
面白そう!と感じた方は、ぜひ、やってみてください!
追伸:
FILMシートは、あくまでも道具です。道具は使う側の「意識」によって、良い道具にも、悪い道具にもなります。FILMシートを活用するには、上司や先輩など「教育する側の人」のマインドセット(心構え)が大切です。
例えば、依頼した仕事がうまく進まなかった時、以下のように考える「姿勢」が大切です。
相手ではなく「私の」依頼の仕方は、適切であったか?
人には独自の強みがあり、それを存分に発揮してもらうには、どうしたらいいか?
強みを発揮する働き方は、与えるものではなく、ともに創造するもの
などです。特に、強みを発揮できる働き方ができれば、仕事の成果は上がり、自己肯定感が得られ、働くことが楽しくなります。FILMシートを使えば、「良いマネジメント」が実践できる確率が上がります。
しかし、マネジメント側の考え方が変わらない限り、結果を出すのは難しいと思います。
と、偉そうに話しましたが、私もまだまだ勉強中です。迷ったときや、つい後輩のせいにしたくなったときは笑、「学習ファシリテーターのマインドセット」の音声を聴くようにしています。音声を聞いて、スタバでフラペチーノを飲み、心を整えます笑